【久留米市の糖尿病内科・循環器内科】5月病のイライラや不安…実は「血糖値」が原因かもしれません
こんにちは!
久留米市にある「まつもと整形外科」では糖尿病内科・循環器内科の女性医師による専門外来を併設しています。
さて、5月の連休明けに多く見られる心身の不調、いわゆる「5月病」。医学的には適応障害や軽度の抑うつ状態、自律神経失調症などとして扱われますが、実は、これらの精神的な症状が「単純な心理的ストレス」だけではなく、「血糖値の乱高下」という身体の中の生理学的なメカニズムによって引き起こされ、増幅されている可能性があることをご存知でしょうか。
本稿では、「まつもと整形外科」糖尿病内科専門外来として、糖代謝と精神神経活動の相関について専門的に解説します。
血糖乱高下による「反応性低血糖」と情動不安
糖尿病予備軍や初期の2型糖尿病症例では、インスリンの追加分泌が遅延・過剰となることで、食後数時間以内に血糖値が急降下する「反応性低血糖」を引き起こしやすくなります。
拮抗ホルモンの過剰分泌
血糖値が急激に低下する際、生体は恒常性を維持するためにグルカゴン、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどの拮抗ホルモンを放出します。
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アドレナリン
交感神経を過度に緊張させ、動悸、震え、そして「焦燥感(イライラ)」や「攻撃性」を誘発します。 -
ノルアドレナリン
パニック障害に似た強い不安や、理由のわからない不快感、気分の落ち込みをもたらします。
5月病特有のイライラや不安感は、心理的ストレスだけでなく、この生理的なホルモン動態が惹起している側面があるのです。
脳内神経伝達物質への影響:トリプトファンとセロトニンの欠乏
精神の安定に寄与する「セロトニン」の合成には、必須アミノ酸であるトリプトファンが脳内に取り込まれる必要があります。
インスリンとアミノ酸輸送
インスリンには、血液中の分岐鎖アミノ酸(BCAA)を筋肉へ取り込ませる作用があります。
通常、インスリンが適切に働くと、競合相手であるBCAAが減ることでトリプトファンが血液脳関門(BBB)を通過しやすくなり、セロトニン合成が促進されます。
しかし、インスリン抵抗性が高い状態や高血糖状態では、この輸送システムが効率的に働かず、脳内のセロトニンが不足しやすくなります。
これが、5月病で見られる「意欲低下」や「抑うつ状態」の生化学的背景の一因となることがあります。
酸化ストレスと視床下部・自律神経系への負荷
高血糖状態、および急激な血糖変動は、血管内皮細胞だけでなく神経細胞においても酸化ストレスを増大させます。
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視床下部への影響
血糖値の検知センターである視床下部は、自律神経の中枢でもあります。
頻繁な血糖変動は視床下部に過剰な負荷を与え、自律神経の調節機能を失調させます。
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5月病の増幅
環境変化による外的な自律神経ストレスに、内的な血糖ストレスが加わることで、倦怠感、不眠、頭痛といった不定愁訴がより重篤化・長期化する傾向にあります。
5月病を「心の問題」と決めつけない!〜隠れ血糖スパイクを見逃さないために〜
臨床現場において、「5月病かな?」「最近メンタルの調子が悪いな」と訴えて受診される患者さまの中に、実は未診断の糖尿病や、食後の重度な「血糖スパイク(血糖値の乱高下)」が隠れているケースは決して珍しくありません。
単なる心理的ストレスなのか、それとも生理的な血糖変動が隠れているのかを見極めるため、以下のようなポイント(鑑別診断)があります。
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食後の異常な眠気と倦怠感
食事を摂ってから1〜2時間後に、起きていられないほどの強い眠気や、急激に活動性が低下するような強いだるさを感じる場合、それは血糖値が急上昇した直後に急降下(反応性低血糖)しているサインかもしれません。
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夜間の歯ぎしり(食いしばり)や悪夢
睡眠中に血糖値が下がりすぎる「夜間低血糖」が起きると、身体は生命の危険を感じて交感神経をピンと緊張させます。これが睡眠の質を著しく低下させ、悪夢を見たり、無意識に歯を強く食いしばったりする原因となります。
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健康診断をすり抜ける異常
一般的な健康診断で測る「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」は、過去1〜2ヶ月の”平均”の血糖値を表すため、平均値が正常範囲内だと激しい乱高下を見逃してしまうことがあります。
心と身体を穏やかに保つための栄養学的アプローチ
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Second Meal Effect(セカンドミール効果)の活用
朝食で食物繊維やタンパク質を十分に摂取しておくことで、その後の昼食以降の急激な血糖上昇をゆるやかに抑えることができます。
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マグネシウム・ビタミンB群の補填
インスリンの働きを良くしたり、心を落ち着かせる神経伝達物質を作ったりするために不可欠な微量栄養素を、意識的に摂取するようにします。
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血糖自己測定(SMBG)やCGM(持続血糖測定器)の検討
ご自身の血糖値の変動をグラフなどで「見える化」することで、どのような食事をとった時に心身の不調や気分の落ち込みが起きやすいのかを、客観的に把握し対策することができます。
まとめ
「気分の波」は身体からのサイン。一人で抱え込まずご相談ください
5月病のような「やる気が出ない」「イライラしやすい」といった状態は、決してご自身のせいではなく、身体(血糖値)からのSOSサインかもしれません。
隠れた糖代謝の乱れは、適切な食事療法や生活習慣の見直しによって、穏やかに整えていくことができます。
久留米市のまつもと整形外科では、女性の専門医が、数値には現れにくい細やかな体調の変化や気分の波にも配慮した精密な診療を行っております。
見えない不調を一人で我慢する前に、まずは血液検査でご自身の「体の声」を確かめてみませんか。
まつもと整形外科が、皆さまの心と身体のトータルケアに尽力いたします。
予約・アクセスについて
当院は広々とした駐車場69台を完備しており、久留米市内はもちろん、近隣地域からもお車でスムーズにお越しいただけます。
内科専門外来は完全予約制ではありませんが、ネット予約をご利用いただくことで待ち時間を短縮し、スムーズな診察が可能です。
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参考文献
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