生活習慣病とは
生活習慣病とは、食事、運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に深く関与する疾患の総称です。
「健康的でない生活習慣」が病気と関係しており、生活習慣を改善することで病気の発症を防ぐことができる可能性もあります。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、子供の頃からの生活習慣が積み重なって発症することから、現在は「生活習慣病」と呼ばれています。
最大の特徴は、「自覚症状がほとんどないまま進行する」ことです。
放置すると血管にダメージを与え続け、ある日突然、命に関わる重大な事態を引き起こします。
そのため、生活習慣病は別名「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれています。
生活習慣病の原因
主な原因は、長年にわたる不摂生な生活習慣の積み重ねです。
食生活の乱れ
塩分の摂り過ぎ、糖分・脂質の過剰摂取、過食、不規則な食事時間。
運動不足
身体活動の低下による肥満(内臓脂肪型肥満)や代謝の低下。
嗜好品の影響
喫煙、過度な飲酒。
その他
慢性的なストレス、睡眠不足、遺伝的背景。
生活習慣病の主な疾患と進行するリスク
生活習慣病を放置することで、血管の老化(動脈硬化)が急激に進み、以下のような深刻な合併症(リスク)を招きます。



糖尿病 → 「3大合併症」
高血糖が続くと全身の微小血管がボロボロになります。
リスク: 糖尿病性網膜症(失明)、糖尿病性腎症(人工透析)、糖尿病性神経障害(足の切断リスク)。

生活習慣病の検査
当院では、血管の状態と将来の発症リスクを評価するために以下の検査を行います。
血圧測定
診察室での測定に加え、家庭血圧の記録も重視します。
精密血液検査
血糖値、HbA1c、善玉コレステロール、悪玉コレステロール、中性脂肪、尿酸値、腎機能(クレアチニン)などを詳細に分析します。
尿検査
タンパク尿の有無を確認し、早期の腎障害を見逃しません。
身体計測
体重、BMI、腹囲から内臓脂肪のリスクを算出します。
エコー検査
頸動脈エコー、心エコー、下肢動脈エコー、腹部エコー
その他
必要に応じて心電図検査や血管年齢検査(動脈硬化の程度)を実施します。
生活習慣病の治療
治療の目的は、単に数値を下げることではなく、「将来の重大な合併症を防ぎ、健康寿命を延ばすこと」にあります。
食事療法
患者様の生活背景に合わせた、継続可能な栄養指導を行います(減塩、カロリー調整)
運動療法
適切な運動は数値を下げるだけでなく、血管をしなやかに保ちます。
薬物療法
生活改善だけではリスクを抑えきれない場合、血管を保護するために最適な薬を選択します。
継続的なモニタリング
定期的な検査で治療効果を確認し、常に最適な治療プランへ調整します。
「健康診断で指摘を受けた」「親族に心臓病や脳卒中の人がいる」といった方は、症状が出る前に一度ご相談ください。
よくある質問(Q&A)
健康診断で「再検査」になりましたが、症状がなければ放っておいても大丈夫ですか?
症状がないからこそ、早めの受診が必要です。
生活習慣病は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま血管をボロボロにしていきます。
症状が出た時には、すでに心筋梗塞や脳卒中の直前であることも少なくありません。
再検査の段階で適切な対策を始めれば、将来の大きな病気を防ぐことができます。
生活習慣病の治療を始めたら、一生薬を飲み続けなければなりませんか?
必ずしもそうとは限りません。
早期に治療を開始し、食事や運動などの生活習慣が改善され、数値が安定すれば、薬の量を減らしたり服用を中止したりできるケースもあります。
まずは血管へのダメージを最小限に抑えることが最優先です。
医師と相談しながら、最適な治療ゴールを目指しましょう。
「食事療法」や「運動」と言われても、仕事が忙しくて続けられるか不安です。
無理のない、現実的なプランを一緒に考えます。
当院では、極端な制限ではなく「今の生活の中で何ができるか」を大切にしています。
例えば「外食時のメニュー選びのコツ」や「家の中でできる数分の運動」など、ライフスタイルに合わせた具体的なアドバイスを行いますので、まずはご相談ください。
家族に糖尿病や高血圧の人が多いのですが、やはり遺伝しますか?
遺伝的な体質の影響はありますが、生活習慣でリスクを下げることが可能です。
体質的に血糖値や血圧が上がりやすい傾向はありますが、発症の引き金になるのは日々の生活習慣です。
ご家族に既往歴がある場合は、人一倍リスク管理を意識することで、発症を未然に防いだり、遅らせたりすることができます。
