冬の蓄積をリセット!春から始める脂質異常症(高脂血症)の改善ガイド

糖尿病内科・循環器内科のクリニックです
脂質異常症(高脂血症)とは?
脂質異常症と高脂血症の違いは?
2007年から「高脂血症」「低HDLコレステロール血症」のどちらかが該当する場合、脂質に異常が生じているという意味合いで「脂質異常症」という名称になりました。
「脂質異常症」のタイプ
血液中に含まれる脂質の値が、基準値から外れている状態を指します。
大きく分けて以下の3つのタイプがあります。
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高LDLコレステロール血症: 体内にコレステロールを運ぶ役割のあるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多い状態
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低HDLコレステロール血症: 不要なコレステロールを回収するHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態
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高トリグリセライド血症: 中性脂肪が多い状態
これらは無症状で、痛くも痒くもありません。しかし、放置すると血管が硬くなる「動脈硬化」が静かに進行し、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こします。だからこそ、早めの対策が必要なのです。
特に健康診断で「脂質異常症(高脂血症)」の指摘を受けたことがある方にとって、冬は最も注意が必要な季節です。今回は、冬の悪習慣をリセットし、春に向けて健やかな血液を取り戻すための具体的な方法を、最新の年代別目標値を交えて徹底解説します。
自分の目標を知ろう!年代別・リスク別の脂質管理目標値
脂質異常症の改善において、一律の数値を目指すのではなく、「年齢」や「持病」に合わせた目標設定が重要です。日本動脈硬化学会のガイドラインを参考に、一般的な目標数値を整理しました。
1. 【年代別】一般的な管理の目安
年齢が上がるにつれ、血管も老化(動脈硬化が進展)しやすくなるため、より厳格な管理が求められます。
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20代〜40代:
将来の動脈硬化を予防する段階です。まずは生活習慣の改善で、悪玉(LDL)を140mg/dL未満に抑えることを目指します。
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50代〜60代:
更年期以降(特に女性)は、女性ホルモンの減少によりコレステロール値が急上昇します。LDL 120〜140mg/dL未満を維持することが、心疾患リスクの低減に繋がります。
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70代以上(高齢者):
数値だけでなく、全身の健康状態(フレイル予防など)とのバランスが重要です。概ねLDL 140mg/dL未満を目指しますが、個別の体調に合わせて医師と相談しましょう。

2. 【リスク別】最も重視すべき目標値
実は、年齢以上に重要なのが「持病の有無」です。以下のリスクがある方は、さらに厳しい数値設定が必要です。
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リスク分類 |
LDL(悪玉)目標値 |
備考 |
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低リスク層 (他に病気がない) |
160mg/dL未満 |
まずは食事と運動で改善 |
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中リスク層 (高血圧・喫煙など) |
140mg/dL未満 |
生活習慣の見直しが必須 |
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高リスク層 (糖尿病・腎臓病) |
120mg/dL未満 |
早期の薬物療法も検討 |
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冠動脈疾患の既往がある方 |
100mg/dL未満 (70未満推奨のケースも) |
再発防止のため徹底管理 |
なぜ「冬から春」が改善のチャンスなのか?
冬は、寒さによる運動不足に加え、クリスマス、年末年始、忘年会、新年会、バレンタインと「脂質・糖質・アルコール」を摂取する機会が集中します。この蓄積を代謝が上がる春に一気に解消するのが効率的です。
春は気温が上昇し、自律神経が活発になるため、運動による脂肪燃焼効率が高まる絶好のタイミングなのです。
【栄養編】春の食材で血液をサラサラにする
春の旬食材には、脂質代謝をサポートする成分が凝縮されています。
① 「春野菜」のデトックスパワー
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春キャベツ・新玉ねぎ:
新玉ねぎに含まれる「硫化アリル」は血液をサラサラにする効果があります。春キャベツには、胃粘膜を保護し代謝を助けるビタミンUが豊富です。
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菜の花・アスパラガス:
強い抗酸化作用を持つビタミン類や、余分な塩分を排出するカリウムが豊富です。血管の老化を防ぎます。
② 「水溶性食物繊維」を積極的に
コレステロールを体外へ運び出す「掃除機」の役割をするのが食物繊維です。
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おすすめ: もち麦、オートミール、わかめ、めかぶ、ごぼう。
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春の裏技: たけのこに含まれる不溶性食物繊維と、海藻の水溶性食物繊維を組み合わせた「若竹煮」は、脂質対策に理想的なメニューです。

【運動編】春の陽気を味方にする運動療法
冬の間に硬くなった身体をほぐし、中性脂肪を燃焼させましょう。
1. 「ややきつい」と感じるウォーキング
脂質燃焼に最も効果的なのは、息が少し弾む程度の有酸素運動です。
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頻度: 週3〜5回、1回30分以上が理想です。
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春のポイント: 春は花粉症対策も忘れずに。屋内での足踏み運動や、ショッピングモールでのウォーキングも有効です。
2. 「プラス10分」の意識
まとまった時間が取れない場合は、普段の生活の中で「歩くスピードを上げる」「エレベーターではなく階段を使う」といった、10分程度の細切れ運動を積み重ねるだけでも、脂質代謝は改善します。
脂質異常症 疾患ページはこちら↓
https://naika.m-seikei.net/disease/dyslipidemia/
まとめ:春からの「新習慣」で数値をコントロール
高脂血症(脂質異常症)の改善は、「継続できる生活習慣」が大切。
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自分の目標数値(LDL 140mg/dL未満など)を把握する
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春野菜を食卓に取り入れ、悪玉コレステロールを排出する
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外へ出て、1日30分のウォーキングを始める
この3ステップを意識するだけで、次の健康診断の結果は劇的に変わるはずです。
当院は循環器専門医・糖尿病専門医だけではなく、心不全療養指導士・保健師・心臓リハビリテーション指導士が在籍しております。どうぞお気軽にご相談ください!
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参考文献
一般社団法人 動脈硬化性疾患予防ガイドライン