残暑に気をつけたい高血圧|血圧が高くなる季節の変わり目にできる対策

糖尿病内科・循環器内科のクリニックです
「最近、血圧が高くなった気がする…」
そんな声が多く聞かれるのが“残暑”の時期です。9月に入ってもなお続く厳しい暑さと、朝晩の微妙な冷え込み。この季節の変わり目は、高血圧のリスクが高まるタイミングでもあります。
また、ちょうどこの時期は春から夏にかけて行われた健診の結果が届き始める時期でもあり、「血圧が高い」「要再検査」と指摘を受けて受診される方も増えています。
そのため、残暑は“体からのサイン”に耳を傾ける絶好のタイミングでもあるのです。
今回は、なぜ残暑に血圧が上がりやすくなるのか、そして血圧管理のために今すぐできることについて、解説します。
残暑に血圧が高くなりやすい理由
① 朝晩の寒暖差による血管の収縮
昼間は真夏のように暑くても、朝晩は肌寒さを感じるほど涼しい日が増えてきます。こうした寒暖差は血管に強い刺激を与え、血圧が急に上昇する原因となります。
特に朝の冷え込みは、交感神経を活発にし、血管を収縮させて血圧を上げてしまいます。「朝起きた直後にふらっとした」「頭が重たい」といった症状は、血圧の急上昇が関係している場合もあります。
② 自律神経の乱れと体調のゆらぎ
残暑の時期は、夏の疲れが体に残っている上に、気温や湿度の変化が加わって自律神経が不安定になりがちです。自律神経は血圧の調整にも深く関与しており、その乱れが血圧の変動を引き起こします。
また、夏場に冷たい飲食物を多く摂っていた人は、胃腸の働きが低下し、栄養バランスの乱れや水分代謝の悪化を招くこともあります。これも高血圧の一因となります。
③ 生活習慣の変化と運動不足
夏は暑さのために運動を控えていた人も多いですが、その習慣が残ったまま秋を迎えると、慢性的な運動不足に陥ってしまいます。
さらに、「夏バテから回復してきたから」と食欲が戻り、塩分や脂質の多い食事が増えてしまうと、血圧が上がりやすくなります。
健診で「血圧が高い」と言われたら?
健診の結果で「血圧が高い」「要再検査」と書かれていても、症状がなければ放置してしまいがちです。しかし、高血圧は自覚症状がほとんどないために『サイレントキラー』と呼ばれ、治療せずに放置しておくと動脈硬化が進行することで、脳卒中や心筋梗塞、狭心症、腎不全などを発症して死に至ることもあります。
「血圧が少し高いだけ」「特に自覚症状がない」と自己判断せず、必ず医療機関を受診し、必要な検査や治療を受けるようにしましょう。当院でも9月は健診後の受診が例年より増える傾向にあります。

必要な検査や治療
血圧が高いとどうなるの?
高血圧の状態が長期間続くと、血管に常に強い圧がかかり続けることで、動脈硬化を進行させてしまいます。 それにより、以下のような疾患リスクが高まります。
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脳卒中(脳出血・脳梗塞)
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心筋梗塞・狭心症
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心不全
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腎機能の低下(慢性腎臓病)
これらの病気は、ある日突然発症し、命に関わることもあります。ですから、「血圧が高い」と気づいた段階で予防を始めることがとても重要です。
残暑の高血圧対策
残暑の高血圧対策として、すぐにできることをいくつかご紹介します。
① 朝晩の冷え対策を万全に
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就寝時にエアコンの温度を下げすぎないよう注意しましょう
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朝方に冷えやすい場合は、薄手の長袖や靴下で体温調節を
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起床後はゆっくりと体を起こすように心がけましょう
② 食生活の見直し
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塩分控えめの食事を心がけ、だしや香味野菜で風味を補う
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カリウムが豊富な食品(さつまいも、かぼちゃ、きのこ類)を取り入れる
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青魚(さんま、さばなど)に含まれるEPA・DHAも血圧管理に効果的です
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水分補給は冷たすぎる飲料を避け、常温の水やお茶を選びましょう
③ 運動習慣を取り戻す
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気温が落ち着く朝や夕方に、1日20〜30分のウォーキング
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外出が難しい日は、室内でストレッチやスクワットなど軽めの運動を
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無理をせず、「毎日少しずつ継続する」ことがポイントです
④ 血圧測定を習慣にする
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朝(起床後)と夜(就寝前)に測定
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血圧計を使ったセルフモニタリングを習慣にすることで、体調の変化に早く気づけます
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気になる数値が続く場合は、医師に相談しましょ
残暑こそ血圧ケアが重要な理由
「涼しくなってきたからもう安心」と思うのは早計です。気温の変化が大きく、自律神経や血管が不安定になるこの時期こそ、血圧のコントロールが大切です。
特に、健診で血圧に関する指摘を受けた方は、生活習慣の改善だけでなく、医師による診断や治療が必要な場合もあります。放置せず、早めの受診を心がけましょう。
まとめ|季節の変わり目は血圧のチェックを
残暑の時期は、暑さの名残と朝晩の冷え、生活リズムの変化が重なる時期です。血圧が不安定になりやすいため、体調管理がとても重要です。
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朝晩の冷え対策をしっかりと
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食生活を整え、減塩を意識する
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運動を少しずつ再開する
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健診結果をきっかけに、体と向き合う
当院でも、健診で高血圧を指摘された方や、「最近、血圧が高い」と感じる方の受診が増えています。
高血圧は日々の心がけと、内服薬ででコントロール可能な病気です。
当院は循環器専門医・糖尿病専門医だけではなく、心不全療養指導士・保健師・心臓リハビリテーション指導士が在籍しております。どうぞお気軽にご相談ください!
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