睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなる?|久留米市で糖尿病・生活習慣病治療|久留米生活習慣病相談室

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなる?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなる?

久留米生活習慣病相談室 監修:まつもと整形外科

糖尿病内科・循環器内科のクリニックです

 

~合併症と将来の健康リスク~

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「いびきがうるさいだけの病気」と思われがちですが、実際には放置することで命に関わる重大な病気を引き起こす危険があります。
今回は、SASを治療せずに放置した場合に起こりうる合併症や将来的な健康リスクについて詳しくご紹介します。

なぜSASを放置すると危険なのか?

SASでは、睡眠中に何度も呼吸が止まり、血液中の酸素が低下します。
そのたびに体は「息ができない!」と危険信号を発し、交感神経が過剰に働きます。
これが毎晩繰り返されることで全身に慢性的なストレスがかかり、様々な病気を引き起こします。

放置による主な健康リスク

1. 高血圧の悪化

無呼吸のたびに交感神経が活発になり、血圧が急上昇します。
その結果、夜間だけでなく日中も血圧が高い状態が続き、慢性的な高血圧となります。
SASが原因の高血圧は「治療抵抗性高血圧」と呼ばれ、降圧薬を使っても下がりにくく、脳・心臓の病気のリスクを高めます。

2. 心疾患(心筋梗塞・心不全・不整脈)

低酸素状態は心臓の筋肉にダメージを与え、心筋梗塞や心不全のリスクを高めます。
さらに、酸素不足と交感神経の刺激によって心臓の電気信号が乱れ、**不整脈(心房細動や心室性不整脈)**が発生しやすくなります。
特に心房細動は脳梗塞の原因となるため、早期治療が欠かせません。

3. 脳血管障害(脳梗塞・脳出血)

夜間の血圧変動と酸素不足が脳の血管に大きな負担を与え、脳梗塞や脳出血の発症リスクが高まります。
脳血管障害は後遺症により生活の質(QOL)を大きく低下させるため、予防が非常に重要です。

4. 糖尿病の発症・悪化

SASによる睡眠の質低下は、インスリンの働きを妨げるインスリン抵抗性を引き起こします。
その結果、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病の発症リスク高まります。
すでに糖尿病がある方では、血糖コントロールが悪化し、薬の増量や合併症リスク上昇につながります。

5. 認知症のリスク

慢性的な酸素不足は脳細胞を傷つけ、記憶力や判断力の低下を招きます。
さらに、熟睡できないことで脳内の老廃物(アミロイドβ)の排出が不十分になり、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まると考えられています。
「最近物忘れが増えた」という方は、SASが関係している可能性があります。

6. 日中の眠気による事故

熟睡できないため、日中の強い眠気が続きます。
その結果、交通事故や労働災害のリスクが上昇します。
特に自動車運転を伴う職業(トラック・バス・タクシー運転手など)では、重大事故につながりかねません。
居眠り運転は、自分だけでなく他者の命をも奪う可能性があり、社会的責任の面からも早期治療が求められます。

 
睡眠環境の整備

生活習慣病の一つと位置づけられます

 

SASは「生活習慣病の仲間」

SASは高血圧・糖尿病・脂質異常症と深く関係しており、生活習慣病の一つと位置づけられます。
生活習慣病がある方はSASの有病率が高く、SASがあると生活習慣病の発症・悪化のリスクも高くなります。


治療で期待できる効果

CPAP治療など適切な治療を行うことで、次のような効果が期待できます。

  • 無呼吸や低呼吸の改善

  • 血圧の安定

  • 心疾患・脳卒中の予防

  • 血糖コントロールの改善

  • 日中の眠気軽減・集中力回復

  • 睡眠の質向上によるQOL改善

「放置しない」ことが最大の予防策

SASは早期発見と継続治療が鍵です。
「いびきがうるさい」「昼間の眠気が強い」「家族から呼吸が止まっていると言われた」などの症状がある方は、一度検査を受けましょう。

当院では、

  • 自宅でできる簡易検査

  • 結果説明と治療方針のご提案

  • CPAP治療の導入・フォローアップ
    まで一貫したサポートを行っています。

さらに今年から、CPAP療法士の資格を持つスタッフが在籍予定で、機器の使い方や快適に続けるための工夫まで、より専門的な支援を行える体制を整えています。

まとめ:未来の健康のために、今動きましょう

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、命に関わる病気や生活の質の低下を招く可能性があります。
しかし、正しい治療を続けることで、健康リスクを大きく減らすことができます。

少しでも心当たりがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたと大切な家族の未来を守るために、今から行動を始めましょう。

当院は循環器専門医・糖尿病専門医だけではなく、心不全療養指導士・保健師・心臓リハビリテーション指導士が在籍しております。
「治療に不安がある」「家族のいびきがひどく、生活習慣病もあり心配』など、どうぞお気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群について
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📕参考文献

睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン↓

https://www.jrs.or.jp/publication/jrs_guidelines/20200730145402.html