糖尿病によって起こる爪の変化とは

糖尿病によって起こる爪の変化とは
糖尿病によって引き起こされる代表的な爪の変化には、次のようなものがあります。
巻き爪(まきづめ)
爪の端が内側に巻き込むように変形し、皮膚に食い込んでしまう状態です。歩行時に痛みを感じたり、炎症を起こしたりします。糖尿病患者では、足の感覚が鈍くなることが多いため、症状に気付きにくく、悪化してしまうケースが少なくありません。
爪白癬(つめはくせん)
いわゆる「爪の水虫」です。爪が白く濁ったり、厚くなったり、もろく崩れやすくなるのが特徴です。糖尿病患者では免疫力が低下していることが多く、白癬菌(はくせんきん)による感染が治りにくく、再発しやすい傾向にあります。
糖尿病患者では症状が重くなりやすい
これらの爪のトラブル自体は、健康な人にも起こり得るものです。しかし、糖尿病を持つ方にとっては、より重篤な合併症のきっかけになり得ることが大きな問題です。
たとえば巻き爪から小さな傷ができた場合、そこから細菌が侵入し、足の皮膚や骨にまで感染が広がる可能性があります。こうした感染症は「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」「骨髄炎(こつずいえん)」といった重い病態を引き起こし、最悪の場合、足の切断に至ることもあります。
また、爪白癬も放置すれば足全体に白癬菌が広がる原因になり、慢性的な炎症や皮膚のびらん(ただれ)を引き起こします。
血糖値コントロールが最も重要
糖尿病によるこうした合併症を防ぐには、日頃からの血糖値コントロールが何より重要です。血糖値が適切な範囲で保たれていれば、血管や神経へのダメージを最小限に抑えることができ、爪や皮膚の異常も予防しやすくなります。
定期的に血糖値やHbA1cをチェックし、食事・運動・薬物療法をバランスよく継続することで、爪のトラブルを含む合併症のリスクを抑えることができます。

食事・運動・薬物療法をバランスよく継続
毎日のセルフチェック習慣をつけましょう
糖尿病の方にとって、早期発見・早期対応が非常に大切です。そのためには、ご自身の体の変化に「気づける習慣」をつけることが必要です。
以下のような項目を、毎日確認してみましょう:
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爪の形が以前と変わっていないか
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爪の色が濁ったり、厚くなっていないか
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爪の周りに赤み・腫れ・痛み・膿などがないか
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足に傷や水ぶくれがないか
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歩行時に違和感がないか
少しでも「おかしいな」と感じたら、早めにかかりつけ医や皮膚科・整形外科などに相談してください。
まとめ
糖尿病は、目に見える症状が少ないため、「自覚がないまま進行する病気」と言われています。しかし、体はさまざまなサインを発しています。足や爪のちょっとした変化も、見逃してはいけない警告のひとつです。
糖尿病によって血管が細くなると、足先や爪に異常が現れることがあります。巻き爪や爪白癬といった症状は、糖尿病患者にとっては重症化しやすく、放置すると大きな合併症につながる恐れもあります。
ですが、適切な血糖値の管理と、日々の観察習慣によって、これらは予防・早期発見が可能です。ぜひご自身の足や爪にも目を向け、身体からの小さなサインを見逃さないようにしていきましょう。
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