〜喘息・気管支喘息の悪化にご注意を〜

ゴールデンウィークも終盤を迎えましたね。いかがお過ごしでしょうか🍀
今年のゴールデンウィーク最終日、5月6日(火・振替休日)には全国的に雨の予報が出ていますが、その雨が止んだあとは、「黄砂(こうさ)」への注意が必要です。
特に九州地方や中国地方では、6日夜以降に黄砂が飛来する可能性があるとされています。黄砂は、目に見えるほどの濃度で降ることは稀ですが、うっすらと空がかすんだように見えることがあります。この黄砂が、私たちの健康にどのような影響を与えるのかご存知でしょうか。
今回は、黄砂とアレルギー症状、特に「喘息(ぜんそく)」や「気管支喘息(きかんしぜんそく)」との関係について解説いたします。
■ 黄砂とは?
黄砂とは、中国大陸の砂漠地帯(ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠など)から舞い上がった微細な砂粒が、偏西風に乗って日本を含む東アジアに飛来する現象です。春から初夏にかけて多く見られ、特に3月〜5月が飛来のピークとされています。
この黄砂は単なる「砂」ではなく、飛来する過程で大気中の汚染物質(工場の排煙、排気ガス、カビや花粉など)を吸着しており、非常に刺激の強い粒子になることがあります。

■ 黄砂が引き起こす健康への影響
黄砂が飛来すると、健康への影響として以下のような症状が報告されています。
- 鼻水・鼻づまり
- 目のかゆみ・充血
- 喉の痛み・咳
- 呼吸困難
- 皮膚のかゆみや湿疹
- 頭痛や倦怠感
これらの症状は、アレルギー体質の方や呼吸器疾患をお持ちの方にとっては、非常に辛いものとなります。
特に注意が必要なのが「喘息(ぜんそく)」や「気管支喘息」です。
■ 喘息・気管支喘息の悪化に注意
喘息とは、気道(空気の通り道)が慢性的に炎症を起こし、咳や息苦しさ、喘鳴(ぜいぜい・ヒューヒューという呼吸音)などの症状を繰り返す病気です。
この喘息は、黄砂などの外的刺激によって悪化しやすいことが知られています。黄砂に含まれる微粒子やアレルゲンが気道に入り込むと、気道の粘膜がさらに炎症を起こし、喘息発作が引き起こされることがあります。
特に小児や高齢者の方、慢性的な呼吸器疾患をお持ちの方は注意が必要です。通常よりも症状が悪化しやすく、夜間の咳や息苦しさで眠れなくなるケースも少なくありません。

■ どんな対策が必要?
黄砂の飛来が予測される日には、以下のような対策をおすすめします。
- 外出を控える
可能であれば、黄砂の飛来が多いとされる時間帯(午後〜夕方)は外出を控え、室内で過ごすようにしましょう。 - マスクの着用
外出時には不織布マスク、特にPM2.5対応マスクやN95マスクなどの高性能マスクの着用が効果的です。 - 洗濯物は部屋干しに
洗濯物や布団などを屋外に干すと、黄砂が付着する恐れがあります。できるだけ室内干しにするようにしましょう。 - 帰宅後はうがい・洗顔・手洗いを
体に付着した黄砂やアレルゲンを洗い流すことで、症状の予防につながります。 - 気管支拡張薬や吸入ステロイドの使用を継続
喘息の既往がある方は、医師の指示に従って予防薬をしっかり使用しましょう。症状が安定しているからといって中断すると、急激な悪化を招くことがあります。
■ 症状が出たときは早めに受診を
咳が止まらない、胸が苦しい、呼吸が浅くなるなどの症状が現れた場合は、早めの医療機関受診をおすすめします。特に、過去に喘息の診断を受けている方は、悪化を防ぐためにも早めの対応が重要です。
当院でも、喘息やアレルギー症状に対する診療を行っております。黄砂による体調の変化やご不安がある方は、お気軽にご相談ください。

■ 最後に
春から初夏にかけての日本の気候は、気温も湿度も安定し、心地よい季節ですが、黄砂や花粉、PM2.5など、空気中の微粒子に対する注意が必要な時期でもあります。
ゴールデンウィーク明けの体調不良は、黄砂の影響かもしれません。普段と違う症状を感じたら、自己判断せず、まずは医療機関にご相談ください。
当院には糖尿病専門医、循環器専門医、総合内科専門医が在籍していますので、お気軽にご相談下さい🍀
初診のWEB予約はこちらから▽
ここをタップしていただくと内科初診:初診の予約画面に移行します
TEL予約はこちら(初診のみ対応しております)
- 0942-27-0755
📕参考文献