脂質異常症を徹底解説!原因からリスク因子まで|久留米市で糖尿病・生活習慣病治療|久留米生活習慣病相談室

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脂質異常症を徹底解説!原因からリスク因子まで

久留米生活習慣病相談室 監修:まつもと整形外科

糖尿病内科・循環器内科のクリニックです

 

今回からブログテーマが変わります!!

テーマはズバリ・・・『脂質異常症』です🍀

第1弾は脂質異常症の原因や診断方法についてご紹介したいと思います!!


脂質異常症の症状と危険性を知る

脂質異常症は、血中の脂質(コレステロールやトリグリセライド)が異常に増加する状態であり、自覚症状がほとんどないため、気づかぬうちに進行してしまうことが多いです。

以前は「高脂血症」と呼んでいましたが、コレステロールが高い場合に限らずHDL(善玉)コレステロールが低い場合も該当することから「高脂血症」という名称が、2007年に「脂質異常症」という名称へ改められました。脂質異常症は、動脈硬化のリスクを高めるため、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。自覚症状がないまま進行し、最終的に命に関わる重篤な病気を引き起こすことから「サイレントキラー」とも呼ばれています。そのため、定期的な検査による早期発見と治療が重要です。血液検査で脂質の値を測定し、基準値を超える場合は脂質異常症と診断されます。

脂質異常症の方は、生活習慣の見直しや食事の改善、運動不足の解消などを行うことで、血中の脂質をコントロールして予防することが大切です。また、生活習慣の改善だけでは正常化しないことも多く、医師の指導のもと、薬物療法が必要になってきます。油っぽい食事や喫煙、アルコール、肥満などが脂質異常症のリスクを高めるため、これらに注意して健康を維持することが大切です。


脂質異常症の主な原因とリスク要因

脂質異常症の主な原因は、遺伝や生活習慣、喫煙、過食、運動不足、アルコール多飲、ストレスによるものがあります。遺伝的な要素としては、家族に脂質異常症の方がいる場合に高リスクとなります。また、生活習慣が原因となる場合も多く、運動不足、喫煙、アルコール摂取、高脂肪食、肥満などが関与しています。

さらに、高血圧や糖尿病、甲状腺機能低下症などの病気が脂質異常症の発症に影響することもあります。特に、高血圧や糖尿病の方は、脂質異常症を併発することが多く、さらに心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるため、注意が必要です。


LDLコレステロールとHDLコレステロールの違い

コレステロールには、悪玉とされるLDL(低密度リポタンパク質)コレステロールと、善玉とされるHDL(高密度リポタンパク質)コレステロールがあります。LDLコレステロールは、血管壁に脂肪を蓄積させ、動脈硬化を引き起こすリスクがあるため、その値が高いと危険とされます。一方、HDLコレステロールは、血管内のコレステロールを肝臓に運び、体外へ排出する役割があり、動脈硬化の進行を抑える働きがあります。そのため、HDLコレステロールは高いほど望ましいとされます。


狭心症や心筋梗塞、脳梗塞との関連性

狭心症や心筋梗塞、脳梗塞は、動脈硬化が原因で発症する病気です。動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールや脂肪が蓄積し、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態のことです。

動脈硬化が進行すると、血液の流れが悪くなり、血管に詰まりが生じます。その詰まりが脳の血管や心臓の血管に生じると、心筋梗塞や脳梗塞が発症します。

心筋梗塞は、心臓の筋肉に酸素や栄養が届かず、心臓の筋肉が壊死する病気です。一方、脳梗塞は、脳の血流が滞ることで酸素が不足し、脳細胞が壊死します。

いずれの病気も、善玉コレステロール(HDL)が不足し、悪玉コレステロール(LDL)が過剰な状態が引き金となります。そのため、脂質異常症の治療や予防が重要です。

脂質異常症のリスクを減らすためには、食事や運動、喫煙といった生活習慣を見直すことが大切です。また、糖尿病や高血圧のような他の疾患も動脈硬化を進行させるため、これらの病気の予防や治療も重視されるべきです。

胸痛を訴える女性

胸痛などの症状が出ることもある

 

脂質異常症の診断と治療法

脂質異常症の診断は、血液検査で血中のコレステロール値や中性脂肪値を測定することで行われます。診断基準は、LDLコレステロールが140 mg/dL以上、HDLコレステロールが40 mg/dL以下、またはトリグリセライド(中性脂肪)が150 mg/dL以上です。

脂質異常症の治療法は、まず生活習慣の改善が第一です。適度な運動、バランスの良い食事、喫煙の禁止などが効果的です。薬物療法は、生活習慣の改善だけではコントロールできない場合に、医師の処方により使用されます。

薬物療法として、LDLを下げるお薬は、スタチン系というコレステロール合成を抑制するお薬が第一選択薬になります。スタチン系の効果が不十分な場合、ゼチーア(小腸からのコレステロールの吸収を抑制)など他のお薬を追加します。

一方で、トリグリセライド(中性脂肪)が高い場合は、フィブラート系のお薬が選択されます。

また、高血圧や糖尿病などの他の疾患に対する治療も同時に行うことが大切です。


血液検査と診断基準

血液検査は、血液中のコレステロール値や中性脂肪値を測定し、脂質異常症の診断に利用されます。主にLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)の3つの値を調べます。また、リスクを評価するために、総コレステロール値や非HDLコレステロール値も参考にされることがあります。

脂質異常症の診断基準は、LDLコレステロールが140 mg/dL以上、HDLコレステロールが40 mg/dL以下、トリグリセライド(中性脂肪)が150 mg/dL以上です。ただし、個々の基準値は年齢や性別、既存の病気やリスクによって変わることがあるため、医師と相談し、適切な目標値を設定することが大切です。


生活習慣の改善で予防と対策を

脂質異常症は、血中の脂肪成分が異常な値を示す病気で、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの原因となることがあります。しかし、適切な生活習慣の改善を行うことで予防・対策が可能です。

まず、食事面では脂質の摂取量に注意が必要です。特に飽和脂肪酸を多く含む食品を控え、食物繊維や不飽和脂肪酸を多く含む食材を選ぶことが重要です。

また、適度な運動を継続することで、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす効果が期待できます。

さらに、喫煙や過度なアルコール摂取は避け、ストレスの軽減や十分な睡眠も大切です。適切な生活習慣を実践して、脂質異常症の予防と対策に励みましょう。


定期的な血液検査で状態を把握する

脂質異常症の早期発見のためには、定期的な血液検査が必要です。血液検査では、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライドなどの脂質値を調べることができます。これらの値が、異常値を示す場合は、脂質異常症の可能性があるため、早期に対策が必要です。

特に家族歴や遺伝的要素から、リスクが高まることもあるので、予防のためにも定期的な検診を受けることが重要です。自分の体内の状況を把握し、医師と相談しながら適切な対策を立てましょう。

脂質異常症を知るためには血液検査

善玉コレストロールと悪玉コレストロールを調べる

 

脂質異常症を克服し健康な生活を送るために

脂質異常症の克服は、食事や運動といった生活習慣の改善により実現できます。そのために、まずは自分の体内の状況を把握し、適切な対策を講じることが大切です。

また、脂質異常症は、時に重篤な病気を引き起こすこともあるため、早期発見・早期治療が求められます。

健康な生活を送るためには、脂質異常症に関する知識を身につけ、定期的な検査を受けることが大切です。



健康診断でコレステロール値や中性脂肪値が少し高いみたいだけど・・という方。
ぜひ!循環器専門医が在籍しておりますので一度ご相談ください!

次回は脂質異常症の検査から治療までをお話します!

どうぞお楽しみに🙌


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【参考文献】

・厚生労働省,脂質異常症 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html

・日本動脈硬化学会,脂質異常症診療のQ&A https://www.j-athero.org/jp/publications/si_qanda/