
糖尿病内科・循環器内科のクリニックです
今週は糖尿病に適した食事療法・レシピについてお話します☺️
糖尿病の方にとって、食事療法は病気の管理と予防において最も基本的で重要な要素の一つです。今週は糖尿病の食事療法の重要性と、血糖値を効果的にコントロールするための具体的な方法についてお話します🍀
食事療法のポイント
糖尿病の方における食事療法の成功は、以下のポイントを理解することから始まります。
1. 主食の選択
高血糖を避けるため、糖質の摂取量を管理することが重要です。白米の代わりに雑穀米や玄米を選ぶなど、糖質の質と量に注意しましょう。
2. たんぱく質のバランス
肉、魚、大豆製品などから適度な量のたんぱく質を摂取し、筋肉量の維持や免疫力の向上を目指します。
3. 野菜や果物の摂取
野菜や果物に含まれる食物繊維は血糖値の急激な上昇を防ぎ、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、免疫力を高める効果もあります。
4. 脂質の質の確保
オリーブオイルやアボカドなどの不飽和脂肪酸を積極的に摂取し、動物性脂肪の摂取は控えましょう。
5. 塩分の摂取量の抑制
塩分の過剰摂取は高血圧や動脈硬化を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。

塩分のとりすぎには注意が必要
食品交換表を用いたカロリー計算
糖尿病の食事療法において、80kcalを1単位として計算する食品交換表は、血糖コントロールや栄養バランスの管理に非常に役立ちます。この表を使用することで、必要なエネルギーや栄養素の摂取量を正確に管理することができます。
減塩で糖尿病リスク軽減
日本人は塩分摂取量が高いことが知られています。高血圧や腎臓病のリスクを考慮すると、塩分の適切な管理は糖尿病の方にとって非常に重要です。厚生労働省によると、男性は1日に7.5g未満、女性は6.5g未満の塩分摂取が推奨されています。また、高血圧の方の予防や治療では6.0g未満が推奨されています。しかし、外食や加工食品の利用増加により、これを実現するのが難しくなっています。
効果的な減塩の工夫
- 食材や調味料の選び方に注意する: 塩分の低い食品や調味料を選び、料理に使用すること。
- 野菜や果物を多く摂る: 自然な甘みや旨味で、塩分の使用量を減らせます。
- 塩分が少ない調理法を取り入れる: 蒸し料理や煮物など、調味料を控えめにする調理法を選ぶ。
- 醤油や味噌などの調味料の使用量を減らす: 料理の味付けには、塩分の少ない代替品を活用する。
塩分だけでなく、カリウムの摂取も血圧管理には重要です。野菜や果物、豆類などカリウムを多く含む食品の摂取を心がけましょう。
ここでは実際に糖尿病に適した食事のレシピをご紹介します。今回は今が旬の春キャベツを使い、自然な甘みとタンパク質豊富な豆乳+お豆腐!そして血糖値の急上昇を抑えるキノコ類を取り入れました。ぜひ旬の食材も楽しみましょう🌸
🍴今月のレシピ🍴
食事のポイントは低GI値の食材を選ぶこと、糖質の摂取を控えめにすること、また食物繊維を多く含む食材を取り入れることが重要です。

豆乳仕立てのクリーミー温野菜
豆乳仕立てのクリーミー温野菜
材料(2人分)
- 絹ごし豆腐:1丁
- しめじ:1パック
- えのきだけ:1パック
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にんじん:中1/2本
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春キャベツ:1束
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豆乳(無調整):400ml
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みりん:大さじ1
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白味噌:大さじ1(お好みで調整、白味噌でなくても良い)
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胡椒:少々
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オリーブオイル:小さじ1(野菜炒め用)
作り方
- にんじんは薄切り、春キャベツはざく切りにし、しめじとえのきだけは根元を取り除き手でほぐします。
- 中火に熱したフライパンにオリーブオイルをひき、にんじんを炒め始めます。にんじんが少し柔らかくなったら、しめじとえのきだけを加えてさらに炒めます。
- 野菜がしんなりしてきたら、豆乳を加えて中火で暖めます。この時、沸騰させないよう注意してください。豆乳が沸騰すると分離する可能性があります。
- 豆腐を崩しながら加え、みりんと白味噌(またはお好みの味噌)で味を調えます。胡椒を振り味を整えます。
- 最後に春キャベツを加え、しんなりするまで加熱したら完成です。
このレシピでは、今が旬の春キャベツを使い自然の甘みと豆乳・味噌を使ってクリーミーで深みのある味わいに仕上げています。和風だしを使用せずとも、味噌の旨味で十分に美味しい一品になりますよ!豆乳は植物性のたんぱく質が豊富で、豆腐との組み合わせは栄養面でも優れています。低GIでありながら満足感が得られるように、豆腐をたっぷり使い、きのこ類は食物繊維が豊富で血糖値の急上昇を抑えるのに役立ちますよ🙌また、オリーブオイルを少し加えることで、野菜の香りを引き立てながら、全体にまろやかな風味を加えています。
まとめ
糖尿病の食事療法は、年齢、体重、運動量に応じてカスタマイズする必要があります。このプロセスには、糖尿病専門医や看護師との密接な協力が求められます。適切な食事療法を継続することで、糖尿病の予防と改善に寄与し、長期的な健康を支えることができます。美味しく健康的な食生活を送り、糖尿病と一緒にに向き合いましょう🍀
来月は国家資格を持つ理学療法士から糖尿病に重要な運動療法についてご紹介します!
どうぞ、お楽しみに🍀
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📖参考文献📖
・一般団法人日本糖尿病学会 http://www.jds.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12
・日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023, p.49-50, 文光堂 2022より
・岩本安彦 監修.専門医が治す!糖尿病.高橋書店, 2007:88-89.
・日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.62-66, 南江堂 2020