
糖尿病内科・循環器内科のクリニックです
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、日本で増加している睡眠障害の一つです。この記事では、SASと食事の密接な関係を解説し、効果的な改善法を提案します。
まずは、SASの原因である肥満と食事の関係について考えます。肥満は、いびきや気道の閉塞を引き起こし、SASの症状を悪化させます。そこで、適切な食事法が必要です。
〇具体的なポイント
– カロリーの適正摂取
– 効果的な減量をサポートする食品
– 栄養バランスの良い食材選び
これらを取り入れることで、肥満の解消と予防に繋がります。
次に、症状を改善させる食事対策を具体的に考えます。適正なカロリー摂取量の計算方法や、効果的な減量をサポートする食品、睡眠時無呼吸症候群に有益な食事療法とそのポイントを紹介します。
最後に、診断と治療による改善が期待できる症状や、適切な診断方法、医師への相談ポイント、効果的な治療法とその選択基準を説明します。
睡眠時無呼吸症候群と食事の関係を理解し、予防に努めることができます。自分の健康を大切にしましょう。
睡眠時無呼吸症候群と食事の密接な関係
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、いびきや日中の眠気、高血圧などの症状を引き起こす病気です。その主な原因は、肥満による気道の閉塞です。食事は肥満の予防や治療に重要な役割を果たし、SASの改善にも繋がります。適切な食事習慣を身につけることで、症状の軽減や再発の防止が期待できます。また、適度な運動も体重の管理や健康の維持に役立ちます。適切な食事と運動習慣を実践することが、SAS患者のQOL向上に大切です。
原因となる肥満の解消に役立つ食事法
肥満がSASの主要な原因であることから、体重の減量が治療に重要です。低カロリーかつ栄養バランスの良い食事が効果的です。具体的には、繊維質やビタミン・ミネラルが豊富な野菜を中心に摂取し、糖質や脂質の適切な制限が望ましいです。また、食事の回数や量をコントロールし、食べ過ぎや間食を防止することも大切です。適切な食事法を続けることで、肥満の改善やSASの症状軽減につながります。
病気予防に効果的な食材選び
病気予防に効果的な食材選びも重要です。抗酸化作用を持つ食材や、血圧を下げる効果がある食材がおすすめです。例えば、緑黄色野菜や果物、魚類、発酵食品などが効果的です。これらの食材をバランスよく摂取することで、SASの予防や身体全体の健康状態にも良い影響が期待できます。

緑黄色野菜や果物、魚類、発酵食品などが効果的
睡眠時無呼吸症候群患者の栄養バランス
睡眠時無呼吸症候群の方の栄養バランスを整えることが重要です。過剰な糖質や脂質の摂取を避け、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランス良く摂取しましょう。特に、魚類や大豆製品などの良質なタンパク質を積極的に摂ることで、筋肉量の維持に役立ちます。また、適度な運動を取り入れることで、筋力アップや体重の減少に効果的であり、睡眠時無呼吸症候群の症状改善に繋がります。栄養バランスと運動習慣を整えることが、総合的な健康の向上につながります。
症状を改善させる具体的な食事対策
症状を改善する食事対策
1、バランスの良い食事を摂ることです。これには、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む食品を適切な比率で摂取することが含まれます。
2、食事の量を調整することです。過剰なカロリー摂取は肥満の原因となりますので、適量を摂ることが大切です。
3、食事のタイミングを整えることです。朝食はしっかりと摂取し、夜は軽めの食事にすることが望ましいです。
4、低カロリーで栄養価の高い食品を選ぶことです。これには、野菜や魚などが含まれます。
5、アルコールの摂取を控えることです。アルコールは高カロリーであり、肝臓に負担をかけることが知られています。
6、水分の摂取に注意を払うことです。十分な水分補給は健康的な生活習慣に欠かせません。

水分補給は重要!
適正なカロリー摂取量とその計算方法
適正なカロリー摂取量は、年齢、性別、身長、体重、運動量によって異なります。基本的な計算方法は、基礎代謝に運動量を加えたものです。
まず、基礎代謝を計算するには、ハリス・ベネディクトの式を用いることが一般的です。この式は、次のようになります。
男性: 66 + (13.7 × 体重kg) + (5 × 身長cm) – (6.8 × 年齢)
女性: 655 + (9.6 × 体重kg) + (1.7 × 身長cm) – (4.7 × 年齢)
次に、運動量によるカロリー消費量を計算し、基礎代謝に加えます。運動量は以下のように分類されます。
– ほとんど運動しない: 基礎代謝 × 1.2
– 軽い運動: 基礎代謝 × 1.375
– 中程度の運動: 基礎代謝 × 1.55
– 激しい運動: 基礎代謝 × 1.725
この計算によって得られた値が適正なカロリー摂取量となります。
効果的な減量をサポートする食品の紹介
効果的な減量をサポートする食品は以下のようなものがあります。
– 野菜: 低カロリーで栄養価が高く、食物繊維が豊富です。
– キノコ類: 低カロリーで、食物繊維やビタミンが豊富です。
– 魚介類: 脂質が少なく、良質なタンパク質がたくさん含まれています。
– 豆腐: タンパク質が豊富で、低カロリーです。
– わかめ: ミネラルや食物繊維が豊富で、低カロリーです。
– ヨーグルト: 腸内環境を整える働きがあり、カロリーが低いものもあります。
– 鶏肉: タンパク質が豊富で、脂肪が少ない部位があります。
– オートミール: 複雑炭水化物が含まれ、満腹感を感じやすいです。
これらの食品を積極的に取り入れることで、効果的な減量が期待できます。
睡眠時無呼吸症候群に効果的な食事療法とそのポイント
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、肥満や糖尿病、高血圧などのリスクを高める病気であり、適切な治療や生活習慣の改善が大切です。食事療法は、症状の改善や予防に効果的な方法の一つであります。
まず、体重減量が重要となります。肥満は気道の圧迫や筋肉の緊張を招きやすく、無呼吸の原因になるため、適度な運動と低カロリー食を摂取して体重を落とすことが求められます。具体的には、脂質や塩分の摂取を抑えた食事を心がけ、食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含む野菜や果物をたっぷり取り入れることが良いでしょう。
また、アルコールやカフェインを控えることも大切です。これらは睡眠の質を低下させ、呼吸を不規則にする原因になります。カフェインの摂取は昼間に制限し、アルコールは適量に留めるようにしましょう。
次に、食事のタイミングにも注意が必要です。食後すぐに寝ると、胃の内容物が逆流しやすく、喉の炎症や気道の閉塞を引き起こす可能性があります。寝る前の食事は控えめにし、就寝する2~3時間前までに食事を済ませることが望ましいです。
最後に、睡眠時無呼吸症候群に対する食事療法の適用には個人差があるため、医師や栄養士と相談しながら自分に合った方法を見つけることが大切です。
実際に睡眠時無呼吸症候群に効果的なレシピをご紹介!
初夏のランチにぴったりですね。簡単に作れますのでぜひ参考にされてください🌱
🍴今月のレシピ🍴
サーモンとアボカドのヘルシーボウル
材料(2人分)
- サーモン(生食用):200g
- アボカド:1個
- 玄米ご飯:2杯分
- キュウリ:1本
- 紫キャベツ:1/4個
- 枝豆(冷凍):1カップ
- かいわれ大根:適量
- レモン汁:大さじ1
- 醤油:大さじ2
- ごま油:小さじ1
- すりごま:大さじ1
- 塩:少々
- 黒こしょう:少々
- ゴマ(飾り用):適量
作り方
- サーモンの準備
- サーモンを一口大に切り、レモン汁をかけて軽くマリネします。
- アボカドの準備
- アボカドは皮をむいて種を取り、一口大に切ります。
- 切ったアボカドに軽くレモン汁をかけておきます。
- 野菜の準備
- キュウリは薄切りにします。
- 紫キャベツは千切りにします。
- 枝豆は解凍し、さやから取り出します。
- ドレッシングの準備
- 小さなボウルに醤油、ごま油、すりごま、塩、黒こしょうを入れてよく混ぜます。
- ボウルの組み立て
- 器に玄米ご飯を盛ります。
- 玄米ご飯の上に、サーモン、アボカド、キュウリ、紫キャベツ、枝豆を彩りよく並べます。
- かいわれ大根をトッピングとして散らします。
- 最後に、ドレッシングをかけてゴマをふりかけます。
栄養ポイント
- サーモンはオメガ-3脂肪酸を豊富に含み、炎症を抑える効果があります。
- アボカドは健康的な脂肪と食物繊維が豊富で、満腹感を持続させます。
- 玄米は食物繊維とビタミンB群が豊富で、消化を助け、エネルギーを持続的に供給します。
- 枝豆は高たんぱくであり、植物性たんぱく質の供給源として優れています。
- かいわれ大根はビタミンCや食物繊維が豊富で、免疫力の向上に寄与します。
このサーモンとアボカドのヘルシーボウルは、栄養バランスが良く、心臓病やSASの予防に役立つ食材を多く含んでいます。簡単に作れるので、日常の食事に取り入れてみてください。

サーモンとアボカドのヘルシーボール
睡眠時無呼吸症候群と食事の関係を理解し予防に努める
睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療法を選択することで改善が期待できます。しかし、より重要なのは、その予防に努めることです。
食事の関係を理解し、肥満の予防や適切な栄養摂取を心掛けることが大切です。また、適度な運動を取り入れ、健康的な生活習慣を保つことで、症状の発症リスクを低減させることができます。
さらに、定期的に健康チェックを受けることで、症状の早期発見と早期治療が可能となります。このような取り組みを積極的に行い、自分の健康を守ることが大切です。
最後に、今回ご紹介した内容を活用し、次の一歩として、周囲の方々と共に睡眠時無呼吸症候群の予防に努めてみてはいかがでしょうか。
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📖参考文献📖
日本職業・災害医学会会誌 JJOMT Vol. 51, No. 5,
睡眠時無呼吸症候群患者の食行動調査と食事内容の栄養学的分析