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糖尿病は「見えない進行」に要注意

 
久留米生活習慣病相談室 監修:まつもと整形外科
糖尿病内科・循環器内科のクリニックです

 

糖尿病は「見えない進行」に要注意

〜合併症リスクと早期対策の大切さ〜

 

 

糖尿病というと、「食べすぎ」「運動不足」「太っている人がなる病気」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、実際はそれだけにとどまらず、遺伝的な背景や自己免疫による発症もあり、誰もがなる可能性のある病気です。

特に怖いのは、糖尿病そのものよりも「合併症」と呼ばれる、さまざまな症状や臓器障害です。テレビなどで活躍されていたものまね芸人・コージー冨田さんが1型糖尿病であることを朝のテレビ番組でお話してありました。今回は糖尿病の合併症とそのリスクについてご紹介いたします。

 

 

 

 

 

合併症のはじまりは「違和感」から

コージー冨田さんは20代で「1型糖尿病」と診断されました。これは風邪などのウイルス感染をきっかけに、自身の免疫が誤ってすい臓のインスリンを作る細胞を攻撃してしまうことで発症する病気です。遺伝や生活習慣に関係なく、誰にでも突然起こり得ます。

 

 

当時は自覚症状も少なく、通院などの対策はされていなかったといいます。しかし、それから年月が経ち、ある日突然、視界に“白いもや”がかかったような感覚に襲われたそうです。まるで“半透明の袋”をかぶったかのように、目の前が見えなくなった——。これは、糖尿病によって網膜の血管が傷つき、視力障害が進行していたサインです。

 

 

糖尿病の合併症は「しめじ」と「えのき」で覚えましょう!

 

糖尿病は、血糖値の高い状態が続くことで全身の血管や神経にダメージを与え、さまざまな合併症を引き起こします。こうした合併症は進行するまで自覚しにくいのが特徴で、気づいたときには重症化しているケースも少なくありません。そこで今回は、覚えやすい語呂合わせ「しめじ」と「えのき」を使って、糖尿病に関わる主な合併症を紹介します。

 

 

 

「しめじ」で覚える3つの慢性合併症

 

し:神経障害(しんけいしょうがい)

 

高血糖が長く続くと、手足などの末梢神経にダメージが蓄積され、しびれや痛み、冷感、感覚の鈍さが現れるようになります。特に足に症状が出やすく、怪我ややけどをしても気づかないことがあります。進行すると、筋力の低下や排尿・排便の障害、性機能障害など自律神経にも影響を及ぼします。

 

め:目の障害(糖尿病網膜症)

 

目の奥にある「網膜」の細い血管が障害を受けることで、視力低下や最悪の場合は失明に至ることもあります。初期段階では症状が出にくいため、年に1回以上の眼底検査が推奨されています。レーザー治療や注射で進行を食い止めることもできますが、早期発見が鍵となります。

 

じ:腎症(糖尿病腎症)

 

腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する役割を担っていますが、高血糖が続くことで腎臓の機能が徐々に損なわれます。初期には自覚症状がありませんが、尿検査で「たんぱく尿」が見つかることがあります。進行すると、腎不全となり人工透析が必要になる場合もあるため、血圧管理や定期検査が非常に重要です。

 

 

「えのき」で覚える急性・重大合併症

 

え:エネルギー不足(糖尿病ケトアシドーシス)

 

インスリンの作用が極端に不足すると、体はエネルギー源として脂肪を分解し、代謝産物としてケトン体が体内に蓄積されます。これが血液を酸性に傾ける「ケトアシドーシス」という状態です。吐き気や腹痛、意識障害、呼吸異常などの症状が出現し、命にかかわる重篤な状態です。特に1型糖尿病の患者さんで注意が必要です。

 

の:脳血管障害

 

高血糖は脳の血管にも悪影響を及ぼします。動脈硬化が進むことで、脳梗塞や脳出血のリスクが高まり、突然の半身まひや言語障害などの重い後遺症を残す恐れがあります。高血圧や脂質異常といった他の生活習慣病との合併も多く、早めの対策が求められます。

 

き:虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

 

心臓の血管が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりすると、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患を引き起こします。胸の痛みや圧迫感、息切れなどの症状が代表的ですが、糖尿病の方では神経障害の影響で痛みを感じにくく「無痛性心筋梗塞」となり、気づいたときには重症化していることもあります。

 

「しめじ」と「えのき」、この2つの言葉を使えば、糖尿病の重大な合併症をわかりやすく覚えることができます。これらの合併症は決して他人事ではなく、血糖コントロールが不十分であれば誰にでも起こり得るものです。

 

日頃から食事・運動・服薬管理をしっかり行い、定期的な検査を受けることで、合併症のリスクを大きく減らすことができます。自分の体を守る第一歩として、「しめじ」「えのき」を心にとめておきましょう。

 
 
糖尿病の合併症は「しめじ」と「えのき」で覚えましょう!
覚えやすい語呂合わせ「しめじ」と「えのき」

 

5人に1人がリスクを抱える時代

厚生労働省の調査によると、日本では約5人に1人が糖尿病のリスクを持っているとされています。特にアジア人は、インスリンを作るすい臓の能力がもともと弱い傾向にあり、痩せ型でも糖尿病を発症することがあります。

日頃から以下のような症状が気になる方は、早めに検査を受けることをおすすめします。

 

 

・夜中にトイレに行くことが増えた

・のどが渇きやすい

・疲れやすい

・目がかすむ、視力が落ちた

 

これらは糖尿病の初期サインかもしれません。

 

最後に:糖尿病は「気づいたときの行動」が鍵

糖尿病は、早期に対処すれば合併症の進行を防ぐことができます。コージー冨田さんのように、芸人としての仕事を続けながらも病と向き合い、今も人々に笑いを届けている姿は、同じ病に悩む多くの方にとっての希望ですね。

 

目が見えない、足の感覚がない、それでも前を向く——。そんな生き方ができるようにするためには、「自覚症状がない今こそ」がもっとも大切なタイミングです。

糖尿病と診断された方も、まだ診断されていない方も。年に一度の検診、そして定期的な眼科受診が、未来の自分を守る大きな一歩となります。

当院は糖尿病専門医が在籍していますので、お気軽にご相談下さい。

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参考文献📕

一般社団法人 日本糖尿病学会

https://www.jds.or.jp